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【主婦の方必見】その生命保険、実はムダだらけ?後悔しない生命保険の入り方
あなたは、死亡したら保険金が支払われる生命保険に入っていますか?
あなたのパートナーや家族はどうでしょうか。入っている、という人は、なぜ、生命保険に加入したのか、その理由を思い出してください。
- 保険のおばさんに勧められたから
- 親に入れと言われたから
- 社会人になったときに親が契約した
- なんとなく、保険に入るのは大人の常識かな、と思って
・・・そんな理由ではありませんか?
ここでちょっと考えてみましょう。
生命保険に入っていると、あなたが死亡した時に保険金が支払われます。
その保険金は、誰にとって必要なのですか?
数千万円もの保険金は多すぎではありませんか?
生命保険(死亡保障)は、あなたが亡くなったあと、「経済的に困る人がいる場合」に、「困らないだけのお金」を確保するためのものです。
この基本をきちんとおさえれば 、生命保険の保険料を大幅にカットできる可能性があります。
子どもがいない人など、実は死亡保障が必要無い人もいますし、公的な保障などを考えると、今より保障を小さくできるケースも少なくないからです。
- あなたには死亡保障が必要か。
- いくらあればいいのか。
具体的にチェックしてみましょう。
生命保険に入るなら、必要最小限にしてムダをなくのがベスト
生命保険以外にも、遺族の生活の助けになるものはいろいろあります。
死亡保障が必要だから生命保険に入るべき、という人でも、遺族年金や勤務先から受け取れるお金などを考え合わせると、死亡保障の額は思ったより少なくていい、というケースも多いんですよ。
それにしても、生命保険に入っている人は、どうやって保障額を決めたのでしょうか?
その家族構成ならこの金額など、「保険会社に提案されたとおりに契約した 」という人や、「根拠はないけどなんとなく 」、という人が多いと思います。
その場合、保障額が必要以上に多くて、保険料をムダに支払っている可能性もあります。
どのくらいの保障を得ておけばいいのか、ざっくりで構いませんから、必要な保障額を計算してみるのがオススメです。
詳しく説明していきますね。
生命保険のムダを減らすポイント1 死亡後に不足する「家族の生活費」はいくらか計算する
家計を引き締めている家庭と、贅沢三昧している家庭とでは、不足する生活費も異なりますから、我が家の場合はどうかを具体的に考えることが大切です。
まずは食費、光熱費など、生活費はいくらかかっているかを把握します。
住宅ローンを返済中の人は、ローン返済がなくなりますから、その分は生活費から引くことができます。もちろん、亡くなった人にかかっていたお金も必要なくなるので、考慮してください。
その金額から遺族年金や自治体からの助成金などを引いた額が、生活費として不足する額です。不足額に子どもが独立するまでの年数を掛けた額を、生活費として不足する額と考えましょう。
生命保険のムダを減らすポイント2 必要な教育費はいくらか計算する
学年が上がるごとに負担が大きくなるなど、教育費は毎年変わっていく性質があるので、生活費とは分け、独立して考えた方が分かりやすいといえます。
たとえば、小学校から高校まですべて公立で大学が国公立(医学部など6年制の学部以外) なら約750万円、高校まですべて私立で大学が私立理系(医学部など6年制の学部以外) なら2200万円強です。
※文部科学省「平成24年度学校基本調査報告書」より
ここから、学資保険などで用意できている金額を引いた額が、用意が必要な教育費の目安です。
生命保険のムダを減らすポイント3 「本当に必要な保障額」がいくらか計算する
ポイント1、2で出した金額をもとに、以下の計算式で「必要な保障額」を計算してみましょう。
また今ある貯蓄も、死亡後に遺族が使えるお金として、計算式にあてはめてください。
住宅ローンがなくなることや、遺族年金や勤務先からの給付があることを考えると、今より保障額は小さくていい、ということに気付くかもしれませんね。
保険会社が作成する提案書には、子どもの結婚資金の援助など、さまざまなお金がカウントされていて、保障額がかなり膨らんでいる例もありますので、自分はどうなのか、具体的に考えた方がいいですよ。
もしもの時に不自由させたくないから…など、つい余裕を持っておこうなどと考えがちですが、保険料が高くなると、生きるためのお金が不足してしまいます。
「必要」と「残したいという気持ち」は分けて考え、「ないと困るお金を保険で準備する」ことを基本にすれば、合理的な保障設計につながります。
残したいという気持ちの部分は、そのうえでのプラスαと考えればよいと思います。
死亡後に困る人がいなければ生命保険はいらない!あなたの場合は?
生命保険は、加入した人(被保険者といいます)が死亡した場合に、指定した受取人に保険金が支払われるものです。
「死亡保障」という言葉が使われることもあります。
冒頭でも述べましたが、生命保険と上手に付き合うために絶対におさえておきたいポイントは・・・
・・・ということです。
当たり前のことを言っていると思うかもしれませんが、この基本がきちんと飲み込めていないために、保険料を払い過ぎている人が多いのが現実です。
テレビCMなどでは、「お葬式代くらいは保険で準備しておきたい」といったフレーズを耳にすることもありますが、それなら保険でなく、貯蓄で準備しておけばOK。
わざわざそのために保険に入る必要はありません。
支払った保険料の一部は保険会社の経費や利益に消えてしまうので、貯蓄で用意した方が有利なこともあるのです。
主婦に「生命保険がいるかどうか」判断するための3つのポイント
では、「経済的に困る人」がいるかどうかはどう判断すればいいのか、そのポイントを3つお伝えします。
ポイント1:扶養家族がいるかどうか
扶養家族とは「自分の収入によって生活している家族」「自分が養育している家族」を意味します。
たとえば、サザエさん一家の波平さんのケースで考えてみましょう。
お父さんの波平さんにとって、専業主婦のフネさんや、子どものカツオ、ワカメは、扶養家族です。
もし波平さんが死亡してしまうと、フネさんやカツオは経済的に困ってしまいます。
だから死亡保障が必要、ということになります。
ポイント2:経済的に困る人がいるかどうか
では、亡くなるのが波平さんではなく、カツオだったらどうでしょうか。
カツオが一家にとってかけがえのない存在であることは疑いようがありませんが、カツオが亡くなっても、経済的に困る人は・・・?いませんよね。
だからカツオに生命保険をかける必要はありません。
では、フネさんが亡くなったら・・・?
フネさんは専業主婦で、家族の生活費を稼いでいるわけではありませんから、そういう意味では生命保険の必要はありません。
また、フネさんは家事の多くを担っていますが、フネさんが亡くなった場合はどうなるでしょうか。
サザエさんや家族が協力し合ってカバーできるなら問題ないですが、それが無理な場合、お手伝いさんに来てもらうなど、お金が必要になるかもしれません。
そのような場合は、扶養家族がいなくても経済的に困る人がいる、つまり、死亡保障が必要かもしれない、ということになります。
ポイント3:ライフスタイルがどう変わる予定か、どう変わったか
「子どもがまだ小さいから、自分が死んだ時のために・・・」という人でも、子どもが成長して働くようになれば、「経済的に困る人」はいなくなります。
反対に、「今は独身だから死亡しても経済的に困る人はいない」という人でも、将来、子どもができれば、死亡保障が必要になります。
このように、自分の立場や家族の年齢などが変化していくことによって、死亡保障が必要かどうかも変わっていくことがある、というわけです。
そのため、「一度、生命保険に入ったら、あとは保険料を払い続ければいい」というわけではなく、転機がきたときには、「今のままで大丈夫?」「ムダはない?」などと確認をし、必要に応じて加入したり、やめたり、場合によっては保障額を変更したりすることが大切です。
あなたの人生においても、生命保険が必要な時期、必要ない時期、があることを意識してくださいね。
あなたは生命保険が必要な人?ケーススタディでチェックしてみよう
生命保険が必要かどうかの判断基準、お分かりいただけましたか?
では、今の話を前提に、具体的にどんな人に生命保険が必要なのかを詳しく見ていきましょう。
ケース1:子どもがいる夫婦の夫
子どもがいる夫婦で、一家の生活を夫が支えている、という場合、夫が死亡すれば残された妻や子どもが経済的に困りますから、死亡保障が必要です。
また子どもの数が多ければ、それだけ多くの保障が必要になります。
ケース2:子どもがいる夫婦の妻(共働き)
妻が死亡後、夫の収入だけで生活できるか、教育費も準備できるか、が判断基準です。
たとえば「生活費を夫と妻で折半している」とか、「生活費はすべて夫が出しているけれど将来の教育資金のために妻が貯蓄している」という共働き夫婦も少なくありません。
そういったケースでは、妻の収入がなくなると経済的に困りますから、子どもが独立するまでの間は妻の死亡保障を確保しておくべきでしょう。
あとで解説しますが、18歳未満の子を残して親が死亡した場合、子どもが18歳まで公的年金から「遺族年金」が支給されます。
とてもいい制度なのですが、ちょっと古い考え方で作られている部分もあって、会社員の妻が死亡した場合、会社員の夫が死亡した場合より受け取れる額が少なくなります。
そのことから考えると、共働き夫婦では、夫が死亡するより、妻が死亡した場合の方が経済的なダメージが大きいことも考えられるのです。
ケース3:子どもがいる夫婦の妻(専業主婦)
専業主婦は収入を得ていませんから、収入ダウンで困ることはありませんが、状況によっては、主婦の仕事をプロに代行してもらうことなどで支出が増えることも考えられます。
確かに生命保険の広告などでも、“主婦が死亡した場合はベビーシッターや家政婦さんを雇う必要があるので、専業主婦 も生命保険に入っておいた方がいい”、と当たり前のように書いてあることがあります。
自分や夫の親、兄弟に子どもの世話や家事を助けてもらうなど、お金以外にも「生活のピンチ」を解消する方法はあります。
そういった援助に頼らず、すべてお金で解決しようとすると、多額の保険に入らなければならず、保険料もかさんでしまいます。
あなたの状況では保障が必要か、必要だとしたら、どの程度あればいいかを考えてみましょう。
親も親類も、頼るものが何もない、といった場合は、困るのは何年ぐらいかを具体的に考えて、どうしても必要な期間だけ、必要最低限の保障を確保する、というように考えるといいですね。
ケース4:シングルマザーやシングルファーザー
死亡保障が必要です。
もしも養育費だけで生活できているとしても、子どもが独立するまでその状態が続く保証はありませんし、教育費が不足する可能性もあります。
残された子どもは18歳まで遺族年金が受け取れるので、不足する生活費、教育費を生命保険で準備しましょう。
後見人や親権者を誰にするかも考えておくなど、金額以外のことにも配慮することが、シングルマザーやシングルファーザーが生命保険を考えるうえで大切なポイントです。
ケース5:シングル
子どもがいないシングルの場合、基本的には死亡保障は必要ありません。
ただし、親に仕送りしているなど、誰かに経済的な援助をしているなら、話は別。
自らが死亡した場合に、誰が、どのくらい困るかを考え、必要に応じて生命保険に加入するといいでしょう。
死亡保障が必要なケースでも生命保険だけに頼らなくても良い?
死亡保障はどんな人に必要なのか、見えてきましたね。
繰り返しになりますが、『生命保険(死亡保障)は、あなたが亡くなったあと、「経済的に困る人がいる場合」に、「困らないだけのお金」を確保するためのもの』・・・ でしたよね。
長期にわたる生活費や教育費を貯蓄で準備するのは現実的に考えて難しいので、保障が必要な人は生命保険で準備するのです。
でも、実は、残された人には国などからお金のバックアップもあります。
「死亡すると遺族に支給される年金や勤務先からもらえるお金」や、「保険以外で準備できるお金」もあるのです。
それらのお金は、遺族の生活費や教育費に使うことができるので、その分、保険で用意すべき金額を抑えることができます。
どんなバックアップがあるか、具体的に見ていきましょう。
バックアップ1:遺族には遺族年金が支給される
国民年金や厚生年金に加入している人が死亡した場合、遺族には、遺族年金が支給されます。
まず、国民年金から支給されるのが、「遺族基礎年金」。
国民年金に加入していた人が死亡した場合に、その人が養っていた子どもや、子どものいる配偶者 に支給されるものです。
国民年金というと、自営業者のもの、と思うかもしれませんが、会社員も国民年金に上乗せする形で厚生年金に加入しているので、支給対象になります。
子どもとは、18歳になる年度の3月31日を迎えていない子、または、障害等級1級または2級で20歳未満の子、を指します。言い換えれば、18歳になる年度の3月31日まで支給される、ということです。
バックアップ2:会社員なら「勤務先からももらえるお金」がある
会社員の場合には、死亡に際し、勤務先から各種のお金が受け取れる場合があります。
たとえば、弔慰金や死亡退職金。
企業によっては、子どものいる従業員が死亡した場合に、子が一定の年齢に達するまで遺族育英年金などが支給される例もあります。
さらに勤務先に互助会や労働組合がある場合、その互助会や労働組合から弔慰金などが支給されるケースもあるようです。残念なことに勤務先の福利厚生については、正確に把握していない人がほとんどです。
福利厚生ガイド、健保のしおり、といった資料が用意されている企業もありますので、この機会にしっかり確認するといいですね。
バックアップ3:学資保険、住宅ローンも死亡保障になる
子どものために学資保険やこども保険に加入している人も多いと思いますが、学資保険などは、契約者が死亡した場合、以後は保険料の払込みなしで満期保険金が受け取れる仕組みになっています。
つまり、父親が学資保険の契約をし、保険料を払っているケースでは、父親が死亡すると、進学時など決まった時期に、決まった額が支払われますから、一定の教育資金が準備できている、というわけです。
さらに、住宅ローンを返済中の人は、借入の際、基本的には団体信用生命保険という保険に加入しています(住宅金融支援機構のフラット35では任意加入)。
死亡した際には、住宅ローンの残債(ローンの残り)と同じ金額の保険金が支払われ、返済に充てられます。そのため、死亡後は住宅ローン返済がなくなり、維持費(マンションなら管理費など)だけで、住まいが確保できます。
学資保険などで準備できる保険金、住居費、それらの分を、死亡保険で準備するお金から減らしていい、というわけです。
バックアップ4:自治体から支援が受けられるケースもある
母子家庭、父子家庭に対し、各種の支援を行っている都道府県や市区町村もあります。
たとえば東京都では、父または母が死亡した18歳以下の子供を育成している親に対し、児童一人につき月額1万3,500円の児童育成手当が支給される制度があります(申請が必要)。
また医療費の一部を助成してくれる、ひとり親家庭等医療費助成、といった制度も用意されています。
住んでいる地域にはどんな制度があるか。自治体のウェブサイトなどで確認してみましょう。
バックアップ5:家事、育児を助けてくれる人がいればお金は節約できる
夫か妻、どちらかが死亡したら、延長保育も必要だし、ベビーシッターも頼むことになる・・・など、心配し始めるとキリがないし、保険で準備したくなるお金もどんどん膨らんでしまいます。
助け合うことで、お互いに節約することができますよ。
まとめ。 自分が死亡した際に「経済的に困る人」がいるなら、 必要最小限の死亡保障を用意しておこう
いかがだったでしょうか?
死亡保障が必要かどうかを判断する基準、そして、適切な保障額を考える方法がおわかりいただけたと思います。
具体的に考えれば、ムダもなくなりますし、いざという時の安心感も得られると思います。
最後にまとめとして、今回の重要ポイントを6つ、挙げておきます。
あなたの周りに、勧められるままに生命保険に入ってしまった、という人がいたら、このポイントを教えてあげてください。
ポイント!まとめ
- 生命保険が必要なのは、「亡くなった後、経済的に困る人がいる場合」
- お葬式代くらいは…と思って保険に入る必要なし。貯蓄でも準備可能
- 遺族年金、勤務先の福利厚生など、もらえるお金を知っておこう
- 遺族の生活費がいくら足りなくなるか、今の家計から考えてみよう
- 教育費は平均額を目安にしよう
- 必要額を計算することが保険のムダをなくす第一歩